「自己破産」に関するお役立ち情報
無職の方の自己破産
1 自己破産をするためには収入の確保が必要です
無職の方であっても、生計がマイナスにならないだけの収入を確保し、自己破産をすることはできます。
法律上、無職の場合には自己破産ができないという制限はありません。
もっとも、収入の確保は必要です(無職と無収入は別ものです)。
収入がないと、自己破産をしたとしても、生活費を賄うために借金せざるを得なくなります。
自己破産制度の目的のひとつである、経済生活の再生(破産法第1条)を達成することができません。
そのため、収支が黒字になる見込みがないと、免責が許可されない可能性があります。
以下、自己破産手続きの概要と、収入を確保する方法について説明します。
2 自己破産手続きの概要
⑴ 申立ての準備
自己破産の申立てのためには、多数の書類の作成や、資料の収集が必要となります。
具体的には、申立書と陳述書、家計表の作成が必要となるほか、すべての預貯金口座の通帳の写し(過去数年分)、有価証券の残高証明書、保険解約返戻金計算書、不動産の登記と査定書、自動車の車検証と査定書などを集める必要があります。
家計表の提出が求められる理由のひとつは、免責許可により経済的な再生を図れるかを判断することであると考えられます。
大切なことは、収支が黒字になるように、収入を確保し、生活費の節約に努め、家計をしっかりと管理することです。
書類が揃ったら、自己破産の申立てをします。
⑵ 自己破産申立て後
債務者の方が一定の評価額を超える財産を保有しておらず、免責不許可事由(債務の形成原因がギャンブルや浪費であるなど)がない場合、基本的には同時廃止事件になります。
同時廃止事件の場合、特に問題がなければ、一定期間後に免責許可決定がなされて、手続きは終了します。
管財事件になった場合には、管財人による財産や債務形成原因の調査、債権者集会、免責審尋が行われます。
問題ないと裁判所が判断した場合には、免責が許可されて終了となります。
3 収入を確保する方法
勤務先の倒産やリストラなどにより、一時的に無職になった場合は、早急に求職活動を行い収入の確保に努めます。
再就職をして給与等が入るまでの間は、雇用保険による失業給付などを用いて、収入を確保しましょう。
ご病気や怪我など、就業ができないご事情がある場合、傷病手当金の申請をする、障害年金の申請をする、生活保護の申請をするなどの検討を行う必要があります。